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飲みきり…?

一度栓をあけたワインは飲みきらないとダメ?

 栓をあけるということは、ワインが空気におもいっきり触れる状態になるということで、これ以降ワインの酸化がどんどん進行するということです。
ワインの酸化が進むとそのワインの味は少しづつ、あるいは急激に変化します。どのように変化するのかはワイン1本1本で異なりますが、その変化は通常「劣化」と考えられています。
 
 開栓後「劣化」を始めるワインの中には、味の変化の急激なもの、つまり劣化の早いものや、逆に劣化の遅いものなど、様々なものがあります。つまり開栓後、なるべく早く飲んだほうが良いワインや、ゆっくり飲んでも美味しく楽しめるワインなどいろいろなタイプのワインがあるということです。
                       
 それどころかワインの中には、飲む6時間前とか、12時間前(!)に栓をあけておかなければならない(?)と決められている(??)ものが多くあります。つまり、開栓直後の少ししか酸化していない状態よりも、開栓後数時間を経た、より酸化の進んだ状態のほうが美味しいワインがあるということです。
 
 それらは一般にはボルドーの高級ワインなどを飲む時に言われることなのですが、実際にはそのような飲み方をした方が美味しいワインはたくさんあります。私の経験で言えば、2,000円以上の濃厚なタイプの赤ワインで、ヴィンテージもの(古いもの)でなければ、ほぼこのタイプのワインと言えると思います。これらのワインは、大抵本当に美味しくなる前におなかの中に収まってしまっているということです。

 赤ワインをよく飲まれる方はこんな経験がありませんか。一杯目のワインを飲んだ時、「うん、まあまあかな、これくらいなら許せるな」ぐらいに思いながら、あまりたいしたことのないワインには注意を払わず、おしゃべりやテレビに夢中になり、いつしかワインは最後の一杯。さあ、このワイン、片付けてしまおう、と飲んでみてびっくり。「あれ、このワイン!こんなにおいしかったっけ??もっとゆっくり味わって飲めば良かった・・・・」。
 

ワインを捨てる時は、どのような味になっているのか、必ずチェックするようにしています。劣化したワインの味を覚えるのも大事な勉強なのです。

素晴らしいワインに出会った時、私たちは自分の許容量を超えて一本空けそうになることがあります。そんな時、「ちょっと待て。これは明日になったらもっと素晴らしいワインになっているかもしれない。」と、あえてそれ以上飲むのをやめるのです。

そして翌日、予想通り、いや予想以上に良くなったワインほど美味いワインはないというわけです。 
でも・・・・昨日のあの素晴らしさはどこへ行ってしまったの・・・・ということも・・・・・。 

 私たちの場合、ワインを飲むとき、そのワインはどのような個性を持っていて、どのように酸化が進み、酸化によってどのように変化するのか、といったことを、確認するためにも、あえてこのような飲み方をします。 

 もちろん、このような飲み方は一般的なワインの楽しみ方とは言えません。
今日とても美味しいワインを無理に明日までおいて、わざわざまずくしてから飲む必要はないですから。
開栓後、すぐに味をチェックし、飲み頃時期を自分で判断しながら、二日、三日と楽しまれる方が結構いらっしゃいます。せっかくの1本なのだから、やっぱり「一番美味しい味」を味わいたいのです。

 一度栓を開けたワインは、普通劣化が進むので、「飲み残し」は、酸化を防ぐために小さい容器に移し替えたり(移し替える時におもいっきり酸化しますが・・・・・)、カクテルにしたり料理に使うようにするというのが定説です。
 もちろんまずくて飲めなくなっていたり、最初から好みでないワインなどは料理に使うのが良いと思いますが、一晩、二晩の飲み残しならまず味わって見て下さい。

 ワイン好きの間では密かに(?)酸化したワインが楽しまれているのです。
 


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